2005/01/10 08
■変形性関節症の遺伝子発見 診断法や治療薬開発に光
国内に約700万人の患者がいると推定されている変形性関節症の原因遺伝子の一つを理化学研究所遺伝子多型研究センター(横浜市)の池川志郎チームリーダーらが発見した。9日付の米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。
細胞の周りに蓄積する「アスポリン」というタンパク質をつくる遺伝子で、変形性関節症の原因遺伝子や機能を解明したのは世界で初めて。同症へのなりやすさを診断する技術や治療薬の開発につながると期待される。
変形性関節症は生活習慣病の一種で、ひざやまたなどの関節の軟骨が変形したり、すり減ったりして、痛みや歩行障害を伴う。骨や関節の病気の中で最も発症頻度の高い病気の一つだ。
研究チームは、同症患者の軟骨と健康な人の正常な軟骨で、アスポリン遺伝子の働きの違いを分析。患者では同遺伝子が20倍も多く活動していることが分かった。