2005/08/06
原爆投下から60年、広島で記念式典=米国では依然根強い擁護論
8月6日、原爆投下から60年を迎えた広島で記念式典が行われた。写真は原爆ドームを背景に放たれたハト(2005年 ロイター/Eriko Sugita)
[広島/シャンティリー(米バージニア州) 6日 ロイター] 原爆投下から60年を迎えた6日、爆心地に近い広島の平和記念公園で記念式典が行われ、市民ら約5万5千人が参列した。式典には小泉純一郎首相も出席。
原爆投下の午前8時15分、式典参列者や市内のいたるところで人々が一斉に黙とうを捧げた。
秋葉忠利広島市長は平和宣言で、「核兵器廃絶と世界平和の実現のため、努力し続けた被爆者の志を受け継ぎ、果たすべき責任に目覚め、行動に移す決意を」と呼びかけた。
また、米ロ英仏中の核保有5カ国とインド、パキスタン、北朝鮮を加えた8カ国について、「人類を滅亡に導く危機に陥れている」と批判した。
一方、米国民の間では依然、原爆投下擁護論が根強いようだ。5日公表されたインタビューや世論調査の結果では、大多数の米国民が、戦争を終結させる目的で行われた原爆投下について支持する姿勢を示した。
広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラゲイ」が展示されているバージニア州の国立スミソニアン航空宇宙博物館。見学に訪れた55歳の退役軍人の観光客は「トルーマン大統領が原爆投下を命じていなかったならば、何人の米国人が死んでいたか考えてみるがいい」と述べ、同大統領は60年前に正しいことをしたと強調した。
(ロイター) - 8月6日15時22分更新