2006/03/18
<アメリカ合衆国は本当に民主主義国家と言えるのか!?最近トンと西部劇は放映されなくなったが、インディアンを銃で撃ち殺して領土や物資を略奪するのが米国の歴史だ。ハワイも米国の砲艦外交の手に落ちた。米国はアフガン、イラク、イランの民主化をと言うが、それ以前に現在も残る有色人種と白人の経済格差を何と言って説明するのだろうか。色々な高名な学識者も米国は民主国家とことを大前提で話を進めるが、深く掘り下げて検証した時、果たして米国は民主国家と言えるのだろうか?軍政を敷いているミャンマーの方が、はるかに豊かで、仏教を中心とした倫理哲学が確立しており、よほど民主的生活を送っているのではないか。米国がイランの核保有を非難するとは、ちゃんちゃらおかしいではないか!米国が核を持っている以上、イランの核保有に口出しするべきではない!日本政府もイランの友好国として、米国や欧州に譲歩を要求するべきではないか?>
米国の遺体売買市場をあばく新著『人体ブローカー』 (Hotwired)
頭を買いたい? 米国の遺体取引市場では500~900ドルが相場だ。さらに50ドル追加すれば、脳も付いてくる。胴体は約3000ドルとやや高額だが、片足なら650ドルで手に入る。
この価格帯なら、遺体を有効利用したいという人々が現われるのも無理はない。しかし、このほど出版された、1冊のおどろおどろしい本が浮き彫りにしたように、急増する遺体売買に対して、監視の目はほとんど届いていない。大学、葬儀業者、医療関連企業は人体の腕、脚、ひじを日常的に売買しているが、こうした行為に対する取り締まりはないも同然の状態だ。
当然の結果として、不正取引や遺体の盗難が横行し、見て見ぬふりがまかり通ることになる。
ジャーナリストのアニー・チェイニー氏は新著『人体ブローカー――米国における遺体地下取引の内幕』(Body Brokers: Inside America's Underground Trade in Human Remains)の中で「この市場でどれだけ多くの遺体が取り引きされ、それらの遺体にどんなことが起きるのか、誰も知らない」と述べている。
著書の中でチェイニー氏は、米国中を駆け巡り、毎年何万という遺体が「遺体取引」の市場にたどりつく過程を追っている。遺体――医療研究用に寄付されたものや、遺体安置所で引き取り手がなかったものも含まれる――は「鶏肉とさして変わらない方法で各部に切り分けられ、提供者、ブローカー、バイヤーが織り成す複雑なネットワークを介して流通する」とチェイニー氏は書いている。
チェイニー氏は、フロリダ州マイアミのホテル『トランプ・インターナショナル・ソネスタ・ビーチ・リゾート』の海を見渡せる部屋で、胴を切開して腎臓を摘出する方法を学ぶ泌尿器科の外科医たちを目撃する。同州ゲインズビルの工場では、砕かれた人骨が精密機械で加工され、整形外科用の「部品」に生まれ変わる様子を見学する。こうした取材を通して、大勢の遺体取引関係者が、チェイニー氏に早く姿を消してほしいと心底願っている様子も伝わってくる。
[PR]
なぜ死者の心配をするのか? チェイニー氏が出会った家族は、自分たちの愛する者の遺体が、よりにもよって対地雷防護具のテストに利用される事実を知ってショックを受けていた。死者に特別な待遇は不要と思う人もいるかもしれないが、チェイニー氏は次のような恐ろしい話も取り上げている。遺体から摘出した骨の移植手術を受けた青年が、人体組織のいい加減な管理のせいで命を落とした。死因は骨のドナーからの細菌感染だ。ドナーは若い男性で、銃で自殺した後、ほぼ丸一日発見されなかったという。
折りしも今週、拡大する遺体取引スキャンダルに関するニュースがあった。報道によると、数百人もの患者が、汚染された人体組織の移植を受けた可能性があるという。
これらは深刻な話だ。しかし、この本には、他愛のない話が好きな読者が喜びそうな話題もたくさん詰まっている。たとえば、人体の部位を再現した製品を扱う英リムズ・アンド・シングズ社の紹介や、19世紀に米国大統領の息子の遺体が、その息子――のちに大統領となる――の努力もむなしく盗まれてしまった不幸な物語などがそうだ。
『人体ブローカー』は240ページしかないのに、それでも『ハーパーズ・マガジン』誌に掲載された元の記事を著者が無理やり引き伸ばしたかのような感が否めない。文体も洗練されているとは言い難く、読んでいて苦痛を覚える読者もいるかもしれない。無味乾燥な記述、煽情的な語り(「人体ブローカーの絡み合った触手が、どこか新たな場所に再び現われるだろう……」)、安っぽい描写(「火葬場の悪徳マネージャーは若いアシスタントの『赤ん坊のような柔肌』に魅せられる」)が混ざり、ちぐはぐな印象を受ける。
チェイニー氏が解決策やアドバイスを読者に示せずにいる点も、やきもきさせられる。政治家や規制当局は「遺体取引」をいかに取り締まるべきなのか? 自分の死後、医学研究のために献体を望むが、ラスベガスのホテルの宴会場で局部をさらす羽目になるのは御免だという一般の読者は、どうすべきなのか?
しかし、全体的に見れば『人体ブローカー』は闇の業界を白日の下にさらすことに成功したと言えるだろう。死者がもっと大切に扱われるべきだという点には、疑いの余地はない。
[日本語版:佐藤純子/高森郁哉]