2006/08/27
たまたま、TBSテレビで報道された、大阪芦原病院に関する、不正公金流用事件に関する報道を、最初の10分程見ました。そのことについて少し考えて見ようと思います。
事件は、同和団体が運営主体となっている、大阪芦原病院が、買ってもいない医療器具を、買ったように見せかけ、不正に公金を横領していた、という事実が報道された。
<総 論>
今まで、同和団体による、公金不正流用事件など、何でも「同和」と名の付く事件に関しては、大手メディアで取り上げられることがなかったが、今回、東京の全国ネットキー局で、同和問題に関して取り上げたことは、大いに評価でき、今後も「同和はタブー」という風潮を打破して行って欲しい。TBSだけでなく、他のテレビ局、大手新聞社でも積極的に取り上げて欲しいと考える。
<功 績>
この報道の功績は、単に「同和」をタブー視することを已めて、踏み込んで公開に踏み切った功績だけではない。同和団体によって、不正に公金が流用されいたことは、全くおかしなことであり、二度とこの様な不正が発生しないように、同和団体も、社会の公器として襟を正すことを促がす功績があったと評価できる。
もし、TBS以外のメディアがこの様な同和団体等の不正を発見したなら、きちんと勇気を持って報道する姿勢を持って欲しい。
報道の中で、同和団体の幹部が、まるでヤクザのようないでたちで登場したが、もし同和団体の幹部が、暴力を振るうなら、直に警察に告発した方がよい。もっとも、その様なことは実際には極稀な人だと思うが....(ジュリアの知る限りでは、そんな暴力的な部落民はめずらしいです。)
また、行政や、メディアが、同和団体幹部から、「差別をしている」と、いじめらるなら、自分が良心に照らして差別をしていないなら、毅然と「差別はしていません。差別的偏見は持っていません。」と言って対峙しなくてはなりません。
<不十分な点>
この報道に関して、最も不十分な点は、TBS他、各メディアが同和問題、部落差別に関し、野放しにして来た結果がこの様な不正の温床になって来た、というメディア批判をしていない点だ。メディアがもっと早く同和問題等に関与し、報道をして来たなら、もしかしたらこの様な不正流用事件は発生しなかったかもしれない。その点で、メディアが、不当に同和関連報道を忌否して来た、というメディアの責任を追及する姿勢が見られなかったのは残念だ。
第二に、同和問題、部落差別に関する現状認識が一つも見られなかった。メディアは、同和問題は既に解決済みで、「日本には部落差別はない」という立場なのか??「差別が未だに存在するから、何らかの行政、啓蒙活動、資金援助、等が必要だ」と考えているのか、全く示されていなかった。
どの様な観点から、同和問題を取り扱おうとしているのか、全く示されなかった点は残念だ。
第三に、これはジュリアの経験と主観によるものだが、部落と、その他の一般の地域では、未だに大きな収入格差と、結婚差別等に代表される蔑視と差別が存在すると認識している。それならば、この様な極端な収入面に於ける有意格差の問題、また、蔑視と差別の問題をどの様にしたら、解決できるのか、そして、誰が差別の解消主体と成り得るのか?また、メディアとして、どの様に現在の蔑視、差別に対して取り組んでいくのか?のビジョンと方法が全く提示されなかった点も指摘しなければならない。
総括すれば、同和利権の不正を勇気を持って報道したことは賞賛に値するが、部落差別の現状認識については、差別が存在するとも、存在しないとも、一切コメントを避ける態度は良くない。また、差別があるとして、それに対してどの様な解決策があるのか全く提示していない点は改善の余地がある。また、部落差別の実態に関しても客観的な報道が欠如していた、ということになるだろう。
<2006.08.27.17:30放送 TBSテレビ系列 報道特集 ▽消えた公金同和対策…闇の病院!>
【URL】http://mbs.jp/voice/special/200604/28_2515.shtml