2005/11/09
<やはり、日本の部落差別等は、国連等の外圧によってしか問題解決の方向性が開けないのかと思うと、大変残念だ。日本社会の差別で、もっとも問題にされなければならないのは、部落差別、と在日韓国人、朝鮮人差別だ。部落差別は、人種差別と考えられがちだが、実は身分差別だ。江戸時代に、士農工商の四段階の身分があり、その下に穢多、非人という身分が設置され、農民の一揆の鎮圧や、警察、処刑、芸能、皮革産業などに従事させられていた。穢多、非人は、水呑み百姓などに、優越感を与えるために、粗末な服装を強いられ、みすぼらしい格好を強いられていた。それが明治政府の太政官布告によって、身分制度の再編が計られ、四民平等政策が取られ、江戸時代の身分制度は崩壊した。士農工商は、平民とされた。だが、穢多、非人は、平民であることは認められたが、普通の平民よりワンランク下、という意味で「新平民」とされたのである。この「新平民」という制度は、つい最近まで(1968年まで)存在した。
だから、同和問題、部落差別を考えるとき、在日朝鮮人問題と、同一に語れない理由がここにある。同和問題、部落差別は、基本的に日本人内部の身分差別の問題であり、在日朝鮮人問題は、日本人と、植民地から渡ってきた他民族への民族差別であるという違いがある。
また、在日朝鮮人差別には、在日の人が、日本国籍が容易に取れるにもかかわらず、日本国籍を取得することを嫌い、拒否して外国人としての待遇を求めていること、そして、韓国、朝鮮への帰国も拒否し、日本に住みたいと希望している、という問題がある。もしも、在日韓国人が、日本国籍取得の拒否をやめて、日本国籍を取得すれば、問題解決は容易になるだろう。
同和問題は、国連の舞台で、「差別はどこの国にもある」と回答したのはもっともなことだが、「教育分野で差別解消への取り組みをしている」と日本代表は言っているが、同和問題、部落差別を全く知らない、少し聞いたことがある、というのが東京都内の現状である。国連の場で、嘘をつくのはいかがなものかと思う。東京都内で、同和問題を語れば、学者か研究者だと思われる!
その理由は、テレビ、ラジオ、新聞の三大メディアが、同和問題をタブーとし、同和問題には一切触れない、報道しない、という、隠蔽主義が徹底しているからだ。
部落差別の一例として、同和地区、被差別部落の所得と、それ以外の所得比較をした場合に顕著に現れる。一部で、同和問題は既に解決済み、という論調があるが、所得格差が3倍も4倍もある現状を見れば、その様な考えは事実誤認というべきだろう。ジュリアは、所得格差が、1.5倍以内に回復すれば、経済面に於ける部落差別は事実上解消した、と考えていいと思っている。
だから、メディアは同和問題のタブー視と、「一切触れない」という、鉄のカルテルを破って、国民的議論を喚起して欲しい。そして、まずは経済面に於いて、所得格差を、1.5倍以内にすることを目標にして欲しい。
その経済、所得格差と平行して、所得格差が是正されても、心理的差別が残って婚約が破談になる、とか自分の祖先が穢多で芸能関係の仕事をしていたとか警察関係の仕事をしていたと語ることで差別され、敬遠され、交際を断られる、等の心理的差別への対策も考えなければならない。
また、教育問題に関しても、小学生の頃から、同和問題を柱とした、在日朝鮮人差別問題、男女差別待遇問題、障害者差別問題を取り上げ、積極的に開示、公開し、教育啓蒙活動をしていくことが必要だと考える。>
日本社会の「差別」指摘 国連人権委報告
【ニューヨーク=長戸雅子】国連人権委員会のディエヌ特別報告者(セネガル)は七日、国連総会第三委員会(人権)で差別問題に関する報告を行い、日本についても在日韓国、朝鮮人への差別や同和問題が存在すると指摘した。
この報告に中国代表は「人種差別は日本社会にあり、特定の政治家、悪名高い東京都知事らの人種差別主義的な発言がある」と日本批判を展開した。さらに韓国代表も日本社会に残る「差別への懸念」を表明、北朝鮮の代表も日本を批判した。
ディエヌ報告者は七月の訪日調査を踏まえ、在日韓国、朝鮮人や中国人のほか、アジア、中東、アフリカからの移住者も「差別の対象になっている」と述べ、人種、外国人差別を禁止する法整備や教育を日本政府に求めた。さらに「外国人差別的な東京都知事の発言に日本政府がどういう立場を取っているのか説明を求めたい」と中国の主張に全面的に沿った見解を示した。
こうした日本批判に対し、高瀬寧・国連代表部公使は「何らかの形の差別が存在しない国はほとんどないと考える」と述べ、教育分野で差別解消に向けた取り組みを行っていることを強調した。
(産経新聞) - 11月9日2時52分更新
【URL】http://www.jcp.or.jp/faq_box/001/990325_faq_dowa.html