2005/09/02
自民党の反宗教改革はうまくいっている。議員の若返り、党指導部の権限強化は、その実績として評価されてしかるべきだろう。
しかし、自民党マニュフェストを読んでいると、どうしても「弱肉強食」としか読めない!
第一 日本の改革 改革の流れに、勢いを。
これは第二の 国際競争力・成長分野 日本の産業に、たくましさと活力を。と重ね合わせて考えると、その方針がはっきりと浮かび出てくる。つまり、現在、バブル崩壊から、民間企業は自力で復興した。それは、小泉政権がなにもしないから、自力で這い上がるしかなったということだ。その手法は、正社員を雇用しないでパートタイム常用社員を雇用する。派遣企業から人を派遣してもらう。等によって、人件費の抑制を計ったことが大きく貢献している。しかし、その企業努力は、景気の回復にはつながったが、勤労者の二重構造を産んでいる。派遣社員になることは、一つの会社に属さない自由があるし、社会の強風に当たっていたい人には向いているかも知れない。しかし、正社員雇用が極端に減ったことによって、正社員として働きたい人が正社員として働きたい、という希望の灯火は消失した。
また、事実上正社員並みの労働をしているのに、新たに採用する社員は常用パートタイム、という奇妙な雇用形態が発生し、同じ労働をしながら、賃金、賞与、退職金等で不平等な待遇が横行している。
自民党マニュフェストでは、国際競争力を回復、発展させると言っているが、それは取りも直さず、雇用の二重構造化をさらに進め、勤労者の階級社会化を推し進める結果になる。
また、チープガバメントというが、産業革命時期にチープガバメント政策が打ち出され、その結果が過酷な労働条件を産み、社会主義思想が台頭してきたのではないか?その後、修正社会主義が登場し、中庸の道を歩み始めたが、あまりにも顕著な格差社会がもたらすものは、人々の不安と、不満と、閉塞感ばかりではないか?
だからジュリアは自民党の企業が国際競争力をつけても、勤労者が階級社会に分断され、日本的一体感と社会慣習が失われることを最も恐れる。
第三の約束、安心・安全 誰もが不安なく暮らせる日本へ。とつながるが、日本の治安はどうなるのだ!?今でさえ、渋谷の街は、夜中ともなると、恐くて凶暴な人たちがあふれていて、夜中の一人歩きが出来ない現状を何と説明するのか!しかも、警官は、そうゆう恐い人たちに対しては、何か事件でも起こさない限り、近づこうとはしないではないか!声を掛けても大丈夫そうな人にしか、職務質問もしないではないか!それは確かに警察官も命が惜しいし、下手に問題を大きくしたくない気持ちは解るが、恐い人に職務質問できない警察官を誰が尊敬できるだろうか???
テロとの戦いには、直接対決も時として必要だろうが、最高の正攻法は貧困と、格差の是正だ!日本の治安を維持したいなら、今の格差社会、勝ち組負け組み社会化への歯車を逆回転させる必要があるのではないか!これ以上、格差社会化が進めば、日本の治安はさらに悪化するばかりだ!
たとえ現状の勤労者の二重構造と格差拡大社会を是正することは、下手をすると国際競争力の低下の方向へ進める要因にもなりかねないが、従来の日本式社会にあったような、富める者も、貧しきものも、表面上は平等なお付き合いを出来る社会を維持することが、国民の満足感と、幸せ感を向上させることになり、結果として日本社会の安定と満足と治安の回復につながるのではないだろうか。
二重構造、格差社会については社民党が明瞭に主張しているところだが、社民党に政権を取る力がない以上、また、時代遅れの憲法9条を擁護する点など、総合的に勘案すれば、マニュフェストでもパートタイム労働者の均等待遇をうたっている民主党に期待を寄せる他はあるまい。