2021/03/11
仏核実験、ポリネシアの「ほぼ全人口」被ばく 調査報告書 3/11(木) 7:34配信 AFPBB News
【AFP=時事】フランスが1966年から1996年にかけて太平洋で行った核実験では仏領ポリネシア(French Polynesia)の「ほぼ全人口」が被ばくしたものの、同国は同地域がさらされた放射線量を隠蔽(いんぺい)していたとする報告書を、調査報道機関ディスクローズ(Disclose)が9日、公表した。
ディスクローズは、仏国防省が2013年に機密解除した軍の核実験関連文書約2000ページを2年かけて分析。
調査はディスクローズと英モデリング・調査会社インタープリト(Interprt)、米プリンストン大学(Princeton University)の科学・国際安全保障プログラムが共同で実施した。
報告書は1974年7月に行われた核実験「サントール(Centaur)」について、「被ばく量の科学的再評価に基づき私たちが計算したところ、当時のポリネシアのほぼ全人口に相当する約11万人が汚染されていた」と結論。
また調査結果を裏付けるため、核実験で生じた有毒な雲をモデル化した結果、「仏当局が50年以上にわたり、核実験がポリネシアの人々の健康に与えた真の影響を隠してきた」ことが判明したと説明。
住民の甲状腺被ばく線量について「私たちの推定値は、2006年に仏原子力庁が出した値の2倍~10倍高い」とした。
ディスクローズによると、これまでにポリネシアで補償を受けた核実験被害者の数は、兵士と請負業者を除く民間人では63人にとどまる。【翻訳編集】 AFPBB News