2005/01/11
<一方的に発言自体を批判するのは良くない。問題は法相に差別感情があったかどうかではないか?単なる言葉狩りは、問題を議論する場さえ失ってしまう。だから現在、マスコミで触れることさえ許されない差別問題が残っているのだ。ただ単に差別発言を批判するのではなく、公の公開された場で、フランクかつ自由に自分たちの思いを語れる場が持たれることが大事だ。メディアで語られることすら許されない差別を、なんとかして議論の場に持ち出すことが大きな課題だと思う。>
南野法相は10日、島根県平田市であった島根県議(自民)の新春の集いで、ハンセン病に言及し、「法務省でも『らい』の問題について啓発が必要なので予算をお願いしました」などと、旧病名の「らい」との差別的表現を3回繰り返した。
元患者の団体は「人権問題を扱う法相として認識不足だ」と批判している。
南野法相は「看護職にあった長い期間、ずっと使われてきた名称だったので使ってしまったが、差別や偏見の意識は全くない。今後はハンセン病という名称に統一したい」と釈明している。
伝染性が強いとの誤った考えからハンセン病患者を隔離してきた旧らい予防法は1996年廃止され、「らい」という表現も法律上、消滅している。
◆曽我野一美・全国ハンセン病療養所入所者協議会長(77)の話「『らい』という言葉は差別、偏見のこびりついた問題のある呼称。大変遺憾だ」
(読売新聞) - 1月11日0時37分更新