2005/11/02
貯蓄無しは過去最高の23% 家庭の資産、なお厳しく
金融広報中央委員会(事務局・日銀)が2日発表した2005年の「家計の金融資産に関する世論調査」によると、「貯蓄を保有していない」と答えた世帯(単身世帯を除く)の割合が22.8%と、前年と比べ0.7ポイント増加。1953年の調査開始以来、過去最高となった。
景気は回復基調にあるとはいえ、賃金やボーナスの伸び悩みなど一般家庭の台所事情はなお厳しく、収入が貯蓄に回りきらない実態を反映した。
預貯金や株、貯蓄性のある保険などを含めた金融資産の保有額は、平均で1129万円と前年比で77万円増加。貯蓄が高額な世帯の影響を除き、より多くの世帯の実感に近いとされる「中央値」では458万円と20万円減った。
平均が増えて中央値が減ったことは、貧富の格差拡大を意味している可能性もあるが、同委員会は「統計の誤差の範囲の動きで、格差が確認できるほどの変動はない」としている。
1年前と比べて貯蓄が「減った」との回答は46.2%、「増えた」とした世帯は20.5%と、減らした世帯が依然半数近くを占めた。減った理由としては収入減を挙げた世帯が最多で、子どもの教育や結婚費用の支出、耐久消費財の購入などが続いた。
調査は6月下旬から7月上旬の間、全国1万80世帯を対象に実施。回収率は32.4%だった。(共同)